今日はひたすら図面修正の日
今日は一日、図面修正に向き合っています。
お客様と打合せを重ねて一度まとめた図面ですが、その後の打合せで大きな方針が決まり、それに合わせた修正を進めているところです。
今回の住まいは、間口5m×奥行15mという細長い敷地に建つ注文住宅。周囲の視線を気にせず過ごせるプライベートな中庭を設けることが、計画の大きなテーマです。
いつもの断熱仕様で、UA値0.51という結果に
当事務所では普段、次のような仕様でUA値0.46以下・断熱等級6を確保しています。
- 壁:高性能グラスウール120mmの充填断熱
- 屋根:240mmの断熱
ところが今回の建物でこの仕様のまま計算すると、UA値は0.51。断熱等級6の基準(大阪などの地域区分6でUA値0.46以下)に届きませんでした。
これまでの経験からすれば、決して寒くなるような仕様ではありません。それでも、数値の上では不利な結果が出てしまう。ここまでの数値は設計者として初めて経験するケースでした。

なぜ細長い家・中庭のある家はUA値が出にくいのか
原因は建物の形状にあります。
敷地に合わせて建物が細長くなるうえに、中庭を囲むように部屋を配置するため、外気に接する壁の面積がどうしても大きくなります。
UA値は「建物全体から逃げる熱の量」を「外皮(外気に接する部分)の面積」で割った、いわば外皮の平均的な断熱性能です。屋根は240mmと厚く断熱できる一方、壁は120mmと屋根より性能が低い部位です。
コンパクトな箱型の家に比べて外皮に占める壁や窓の割合が増えると、性能の低い部位の影響が強く出るため、平均値であるUA値が悪くなってしまうのです。
表面積が増えることは、建築コストの上昇だけでなく、壁からの熱損失の影響が大きくなることにもつながります。今回、その事実を数値として実感しました。
予算か、断熱等級6か。お施主様と一緒に選んだ方針
先日の打合せでは、お施主様に次の2つの方向性をご相談しました。
- 予算内に収めることを優先する
- コストは上がるが、断熱等級6を確保する
それぞれのメリット・デメリットに加え、「数値の差が実際の暮らしでどのくらいの温度感覚の違いになるのか」も、できるだけ丁寧にご説明しました。
そのうえで、最終的にお施主様ご自身の判断で、断熱等級6を目指すことに決まりました。現在は、その方針に合わせて各種図面の修正を進めています。
数値と体感のあいだを、お施主様と二人三脚で
「寒くないはずなのに、数値が出ない」。
特殊な形状の住まいでは、こうした状況が起こり得ます。そのとき、数値だけを見て判断するのでも、経験だけで押し切るのでもなく、お施主様と一緒に考え、納得できる答えを選んでいく。これこそ注文住宅ならではの家づくりだと感じています。
細長い敷地、中庭、断熱性能。この建物はさまざまな面で難易度の高い計画ですが、だからこそ設計のやりがいがあります。引き続き、お施主様と伴走しながら進めてまいります。
狭小地・細長い敷地での家づくりや、中庭のある住まいをご検討中の方へ
敷地条件が厳しくても、暮らしやすさと住宅性能は両立できます。
細長い敷地では一般的に耐震壁の影響が大きいのでハウスメーカーでは契約した後に耐震壁の話が出てきたりして、思い描く住宅が実現しないなどトラブルがあるようです。
+Pアーキテクツでは土地探しの段階からでもお気軽にご相談ください。





